夜、寝ていると手を…
当時、私は彼氏の家によく遊びに行ってました。
私も彼も大学生で一人暮らしだったので、その日も彼の家に泊まる予定でした。
彼の家はいたって普通のアパートです。
特に変わったところもなく、一般的な大学生が住むような1Kのちょっと古くて壁が薄いアパートでした。
怪奇現象など、今まで聞いたこともありませんでした。
さて、夜になってお酒を少し飲んだあとは、いつものように布団に入ります。
布団が敷いてあるのは、小さなロフトです。
彼と一緒に寝ると寝返りが難しくなる程度の狭さでしたが、いつもそこで寝ていました。
スポンサーリンク
深夜のことでした。
正直言うと眠さなどであまり覚えていないのですが、おそらく深夜です。
私がふと目を覚ますと、自分の手が頭の上の方に引っ張られてる気がしました。
そのときの私の体勢は、片手をバンザイした形です。
手を引っ張る人は、隣に寝ている彼しかいません。
しかし、どうやら彼は私に背を向けて寝ている様子です。
私の手を引っ張っている様子はありません。
では誰が私の手を…?
そこまで考えて恐ろしくなった私は、必死に抵抗しました。
金縛りに合ったように体に力は入らないのですが、とにかく引っ張られまいと気持ちは抵抗を続けていました。
するといつの間にか彼が起きており、私に「大丈夫?」と話しかけています。
どうやら私はうなされていたようです。
夢現な私は「本物?」と、彼の手を掴んでしかと確認しました。
彼にとっては何がなんだかよくわからなかったと思います。
ちゃんと彼の手だということを確認した私は、手を布団の中にしっかり閉まって再び眠りにつきました。
それ以降、手を引っ張られる感覚は一切ありません。
その他怪奇現象もありません。
きっと夢だったのでしょうが、本当にリアルで怖かったです。