車の下に潜む謎の黒い影
以前住んでいたところで実際に体験した怖かった話です。いつも寝る前の深夜0時前後から丑三つ時くらいの間に犬の散歩に行くのが日課なのです。
以前住んでいた場所は閑静な住宅街で、夜になると人通りはほとんどありません。いつも寝る前に通る犬の散歩コースが決まっていて、そのコース上には街路樹が生えている場所がありました。
そこは我が家のすぐ裏の道だったのですが、散歩以外ではあまり行かない通りです。その街路樹の根本には、誰かがいつも手入れをして飾り付けをしているようで、子供のおもちゃや人形、置物などが常に置かれていました。
風雨で晒されているのに、いつもそこだけは整えられて可愛く子供のおもちゃで賑やかに飾られています。
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きっと、近所の誰かが毎日手入れをしているに違いないなとなんとなく思っていました。けれど私が通る時間帯のせいなのか、どうもその前を通ると気味が悪い感じがするのです。
そこに来ると急にうちの犬が吠えたり、樹の根元に飾られていた風車が回り始めたりと変な空気を感じていましたが、特に霊感もないのでできるだけ気にしないようにしていました。ところがある日、いつもの様に真夜中に例の通りを散歩していると、例の街路樹の横に停めてあった車の下から、何かが身を乗り出してこちらを覗いているのに気が付きました。
それは、子供くらいの大きさの頭で、まるで人間のような形をしていました。しかし私がその黒い影を凝視すると間もなく、
人間技とは思えない速さで身を乗り出していた上半身がさっと車の下に潜ってしまいました。それ以降その道を通るのをやめましたが、結局あの黒い影がなんだったのか未だにわかりません。